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GDP1%を考慮しない「思いやり予算」論議

2009/11/15 21:34

 

本日フジテレビ『報道2001』にて『思いやり予算』を袋叩きにしていた。その時使われたパネルの内容は以下のとおりだ。


 

同盟国が負担する米軍駐留経費(2002年)

 

 

日本

44億ドル

 

 

ドイツ

16億ドル

 

 

韓国

8億ドル

 

 

イタリア

4億ドル

 

 

イギリス

2億ドル

 

 

アメリカ国防省

 

 

  

 

そののパネルを見ながら「なぜ日本だけ高いのだ!」「削減すべきだ!」と出演者全員が大騒ぎしていた。

 

この番組から竹村健一氏がいなくなって久しい。その後西部邁先生や三宅久之氏がレギュラーパネリストとして出演していたが、両氏も出なくなった。最近は怪しげな中国系経済人とか政治も経済もド素人の雑誌編集者などがレギュラーコメンテーターとして出演している。私の記憶では、彼らの口から為になる発言が出たためしがない。彼らが語る話はゼニカネのことだけだ。国家のあり方とか思想めいたものを聞いたことがない。はじめからそういうものを持ち合わせていないのではないか?


さて、『思いやり予算』に話を戻す。

 

『報道2001』は愚かな番組なので、『思いやり予算』について考えるさいも、ゴルフ場がどうのボーリング場がどうのと枝葉末節の話しかしない。マクロ的視点がまったくない。まず「日本の軍事費は世界に比べてどうなの?」ということは基本としておさえるべきだろう。日本の軍事費は2005年の数字で441億ドル(4兆8000億円)で対GDP比はご存知1.0%だ。『報道2001』が比較に使ったドイツは380億ドル(2005年)で対GDP比1.4%、韓国は203億ドル(2005年)で対GDP比2.6%、イタリアは335億ドル(2005年)で対GDP比1.9%、イギリスは600億ドル(2005年)で対GDP比2.7%だ。ちなみにアメリカは5046億ドル(2005年)で対GDP比4.1%だ。数字はウィキペディアの『軍事費』からひろった。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%B2%BB

 

主要国の軍事支出(2005年)

 

 

国名

軍事費(ドル)

軍事費(各国通貨)

対GDP比

日本

441億ドル

48000億円

1.0%

ドイツ

380億ドル

306億ユーロ

1.4%

イタリア

335億ドル

269億ユーロ

1.9%

フランス

529億ドル

425億ユーロ

2.5%

韓国

203億ドル

20兆8200億ウォン

2.6%

イギリス

600億ドル

330億ポンド

2.7%

アメリカ

5046億ドル

5046億ドル

4.1%

ロシア

311億ドル

8800億ルビー

4.1%

世界全体

11580億ドル

11580億ドル

2.4%

ストックホルム国際平和研究所データ

 

 

 

 

冷戦終了後、ヨーロッパから仮想敵国が消えた。1989年のドイツは対GDP比2.9%の軍事費だったが、いつのまにか1.4%にまで削減されていた。日本の1.0%に近づいている。思ったよりドイツは少ないなと思った。しかし中国だのロシアだの北朝鮮だの、きわめて好戦的な核ホルダー国に囲まれた日本が1.0%で敵のいないドイツが1.4%というのはヘンな話なのだ。

 

ドイツの対GDP比は世界最低レベルだが、日本がドイツ並み(1.4%)だとすると617億ドルになる。日本円で6兆円以上だ。ちなみにストックホルム国際平和研究所のデータによると世界の軍事費の対GDP平均は2.2%だ。日本の軍事費が世界平均並だとすると970億ドルだ。だいたい10兆円という話だ。日本列島は地政学的に世界一といってもいい極悪な場所にあるので本来世界平均くらいは当たり前だろう。ところが日本の軍事費は1.0%以内におさえられてきた。

 

結局のところ「思いやり予算」はインド洋給油みたいな話なのだ。4~5000億円のカネを安いとはいわない。しかし米軍のプレゼンスは圧倒的で、米軍が駐留しているおかげで日本は世界最低水準の軍事費しか使ってこなかった。『おもいやり予算』は、無茶苦茶コストパフォーマンスが高かったのだ。『思いやり予算』は日本のGDP比で0.1%だ。日本の軍事費は『思いやり予算』込みで1.1%ということになる。ドイツ韓国イタリアイギリスより日本の『思いやり予算』込みの軍事費は圧倒的に低コストなのだ!

 

きわめて低い軍事費が日本の経済発展に大きく寄与したというのは風評ではなく、どう考えても真実だろう。日本が世界第二の経済大国になった最大の理由は日本人の優秀性だろう。しかし他国が軍事費に使っていたカネを研究開発等に振り分けられたということは、きわめて有益だったはずだ。そしてそれを可能にしていたのが日米安保だった。

 

そんな日米安保が今危機にさらされている!

 

日本のメディアは共犯といっていい。日本のメディアは鳩山某を甘やかし、日々の発言の変節や閣内不一致を真面目に批判してこなかった。鳩山某は国内で許されるものだから、世界でも通じると勘違いした。今度は米国大統領との首脳会談でも同じ癖を繰り返した。日米首脳会談で合意した内容を「オバマ大統領としての気持ちとすればですね、日米合意というものが前提となってというふうに思いたいでしょうけれども」などといいながら、わずか1日で合意内容を変節させた。狂気の沙汰だ。もはや鳩山辞任論を真剣に考えるべきだろう。この人に日本の首相はムリだ。明日以降、米国メディアの反応が見ものだ。 

カテゴリ: 政治も  > 外交    フォルダ: 民主党

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コメント(4)

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2009/11/16 04:26

Commented by zuka1123 さん

こんにちは
明日の米メディアは、「日米同盟解消論」も出そうですね><
日本の軍事費はGDP比率では、世界の中でも低いことは知っていましたが
金額だけを日本国内では報道します。
ただ軍備を購入する場合 どこの国が買っても そんなに値段が
変わらないので、金額が大きいと軍事大国のように見られると思います。
全て武器を買うための予算と思わされてる所もあると思います。

しかし 「思いやり予算」を考えれば 非常に安価であると思います。
米の軍事力の後ろ盾をリスクをほとんど負わず 金で使えてるのですから。
オバマ政権が、核廃絶を宣言したのも「核兵器の維持費」が膨大で
数を減らしたいのが本音ではないだろうかとも思います。
日本は、思いやり予算によって核を保有して無いが 
対外的に 米の「核の傘」の力を享受できています。
但し どこまで米が本気で同盟国の為に戦うかはわかりません。
(北のミサイルの時の 米の対応には少し失望しました)

ただ 現状では「日米同盟」は絶対必要です。
これを蔑ろにする 民主は亡国政党と言うしかないです・・・。

 
 

2009/11/16 05:08

Commented by ahhacah さん

templeさん こんにちは

 >冷戦終了後、ヨーロッパから仮想敵国が消えた。1989年のドイツは対GDP比2.9%の軍事費だったが、いつのまにか1.4%にまで削減されていた。日本の1.0%に近づいている。思ったよりドイツは少ないなと思った。しかし中国だのロシアだの北朝鮮だの、きわめて好戦的な核ホルダー国に囲まれた日本が1.0%で敵のいないドイツが1.4%というのはヘンな話なのだ。

 冷戦時代の西独は、ソ連軍を中核とするワルシャワ条約機構軍(懐かしい響きですね)と直接対峙しており、ベルリンの壁崩壊時、東独内にはソ連軍35万人が駐屯していました。それが現在は、ポーランドを筆頭とする反露国家に二重三重に囲まれて、まさに隔世の感がありますね。
 加えてドイツの領海は、島国日英は言うに及ばず、半島国家イタリア、二つの海を持つフランスに較べても格段に狭いですからね、日本1.0%ドイツ1.4%というのはどうなのでしょうね。

 >きわめて低い軍事費が日本の経済発展に大きく寄与したというのは風評ではなく、どう考えても真実だろう。

 日本は焼け野原になった上に、平坦な土地が少なく、おまけに沢山の島からなっていますからね、他国に較べて余程インフラ整備にお金のかかる国なんですよね。

 >日本のメディアは共犯といっていい。日本のメディアは鳩山某を甘やかし、日々の発言の変節や閣内不一致を真面目に批判してこなかった。鳩山某は国内で許されるものだから、世界でも通じると勘違いした。今度は米国大統領との首脳会談でも同じ癖を繰り返した。

 まったくもって、その通りですよね。

 日露会談では、「二島だけでは世論が納得しない」と言ったみたいですね。「四島でないと納得しない」ではないようですから、「三島ならいい」ということなのでしよう。交渉を積み重ねた苦渋の決断の末の「三島」というなら、わからなくもないですが、交渉の初っ端で首相の口から出る発言とは思えませんね。

 
 

2009/11/17 00:22

Commented by temple さん

zuka1123さん、こんにちは

韓国の思いやり予算は、8億ドルです。日本の44億ドルよりかなり少ないです。しかし韓国GDPは日本の6分の1に過ぎません。韓国の国力を考えれば、日本の44億ドルよりも重い負担なんですよね。

先日ゲーツ国防長官が普天間問題で来日したさい、ゲーツ長官は韓国にも立ち寄りました。この時ゲーツは韓国で韓国は核の傘に守られていると明確に語りました。しかし日本ではそういう話を一切しませんでした。http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20091023154614829_ja

日本で核の傘について語らなかったのは、いろいろな説があります。日本の場合は言うまでもないという説は一応あります。またゲーツは岡田外相の核先制不使用発言に激怒していたため話さなかったという説もあります。しかしもっとも有力なのは、鳩山政権が日米関係を最低最悪にしたため、今現在日本は核の傘に守られていないという説だそうです。

 
 

2009/11/17 00:35

Commented by temple さん

ahhacahさん、こんにちは
> 日露会談では、「二島だけでは世論が納得しない」と言ったみたいですね。「四島でないと納得しない」ではないようですから、「三島ならいい」ということなのでしよう。交渉を積み重ねた苦渋の決断の末の「三島」というなら、わからなくもないですが、交渉の初っ端で首相の口から出る発言とは思えませんね。

鳩山氏とロシアは、一般には知られていない、何か怪しげな闇の関係がありそうですね。それこそ鳩山一郎から続く。

おそらくロシア側も自民党時代よりは、まじめに北方領土問題を動かそうとしたかもしれません。

しかし鳩山氏に関する日本の報道はすべてロシアも収集しているわけですからね。発言の軽さ、発言がすぐに変節すること、日米首脳会談の合意事項ですら翌日に変節させる、アメリカと大モメで外交的基盤はもはやレイムダック化している、故人献金問題を抱え半年後に首相であり続ける可能性はほとんどない等熟知しているはずです。

シンガポールでのメドヴェージェフの会談は何の成果もなかったようですね。

鳩山氏は国際社会から値踏み済みで、各国首脳からはまともな交渉相手とみなされてないでしょうね。

 
 
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2009/11/18 16:43

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