本日フジテレビ『報道2001』にて『思いやり予算』を袋叩きにしていた。その時使われたパネルの内容は以下のとおりだ。
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同盟国が負担する米軍駐留経費(2002年) |
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日本 |
44億ドル |
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16億ドル |
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8億ドル |
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4億ドル |
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2億ドル |
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アメリカ国防省 |
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そののパネルを見ながら「なぜ日本だけ高いのだ!」「削減すべきだ!」と出演者全員が大騒ぎしていた。
この番組から竹村健一氏がいなくなって久しい。その後西部邁先生や三宅久之氏がレギュラーパネリストとして出演していたが、両氏も出なくなった。最近は怪しげな中国系経済人とか政治も経済もド素人の雑誌編集者などがレギュラーコメンテーターとして出演している。私の記憶では、彼らの口から為になる発言が出たためしがない。彼らが語る話はゼニカネのことだけだ。国家のあり方とか思想めいたものを聞いたことがない。はじめからそういうものを持ち合わせていないのではないか?
さて、『思いやり予算』に話を戻す。
『報道2001』は愚かな番組なので、『思いやり予算』について考えるさいも、ゴルフ場がどうのボーリング場がどうのと枝葉末節の話しかしない。マクロ的視点がまったくない。まず「日本の軍事費は世界に比べてどうなの?」ということは基本としておさえるべきだろう。日本の軍事費は2005年の数字で441億ドル(4兆8000億円)で対GDP比はご存知1.0%だ。『報道2001』が比較に使ったドイツは380億ドル(2005年)で対GDP比1.4%、韓国は203億ドル(2005年)で対GDP比2.6%、イタリアは335億ドル(2005年)で対GDP比1.9%、イギリスは600億ドル(2005年)で対GDP比2.7%だ。ちなみにアメリカは5046億ドル(2005年)で対GDP比4.1%だ。数字はウィキペディアの『軍事費』からひろった。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%B2%BB
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主要国の軍事支出(2005年) |
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国名 |
軍事費(ドル) |
軍事費(各国通貨) |
対GDP比 |
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日本 |
441億ドル |
4兆8000億円 |
1.0% |
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380億ドル |
306億ユーロ |
1.4% |
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335億ドル |
269億ユーロ |
1.9% |
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529億ドル |
425億ユーロ |
2.5% |
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203億ドル |
20兆8200億ウォン |
2.6% |
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600億ドル |
330億ポンド |
2.7% |
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5046億ドル |
5046億ドル |
4.1% |
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311億ドル |
8800億ルビー |
4.1% |
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世界全体 |
11580億ドル |
11580億ドル |
2.4% |
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ストックホルム国際平和研究所データ |
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冷戦終了後、ヨーロッパから仮想敵国が消えた。1989年のドイツは対GDP比2.9%の軍事費だったが、いつのまにか1.4%にまで削減されていた。日本の1.0%に近づいている。思ったよりドイツは少ないなと思った。しかし中国だのロシアだの北朝鮮だの、きわめて好戦的な核ホルダー国に囲まれた日本が1.0%で敵のいないドイツが1.4%というのはヘンな話なのだ。
ドイツの対GDP比は世界最低レベルだが、日本がドイツ並み(1.4%)だとすると617億ドルになる。日本円で6兆円以上だ。ちなみにストックホルム国際平和研究所のデータによると世界の軍事費の対GDP平均は2.2%だ。日本の軍事費が世界平均並だとすると970億ドルだ。だいたい10兆円という話だ。日本列島は地政学的に世界一といってもいい極悪な場所にあるので本来世界平均くらいは当たり前だろう。ところが日本の軍事費は1.0%以内におさえられてきた。
結局のところ「思いやり予算」はインド洋給油みたいな話なのだ。4~5000億円のカネを安いとはいわない。しかし米軍のプレゼンスは圧倒的で、米軍が駐留しているおかげで日本は世界最低水準の軍事費しか使ってこなかった。『おもいやり予算』は、無茶苦茶コストパフォーマンスが高かったのだ。『思いやり予算』は日本のGDP比で0.1%だ。日本の軍事費は『思いやり予算』込みで1.1%ということになる。ドイツ、韓国、イタリア、イギリスより日本の『思いやり予算』込みの軍事費は圧倒的に低コストなのだ!
きわめて低い軍事費が日本の経済発展に大きく寄与したというのは風評ではなく、どう考えても真実だろう。日本が世界第二の経済大国になった最大の理由は日本人の優秀性だろう。しかし他国が軍事費に使っていたカネを研究開発等に振り分けられたということは、きわめて有益だったはずだ。そしてそれを可能にしていたのが日米安保だった。
そんな日米安保が今危機にさらされている!
日本のメディアは共犯といっていい。日本のメディアは鳩山某を甘やかし、日々の発言の変節や閣内不一致を真面目に批判してこなかった。鳩山某は国内で許されるものだから、世界でも通じると勘違いした。今度は米国大統領との首脳会談でも同じ癖を繰り返した。日米首脳会談で合意した内容を「オバマ大統領としての気持ちとすればですね、日米合意というものが前提となってというふうに思いたいでしょうけれども」などといいながら、わずか1日で合意内容を変節させた。狂気の沙汰だ。もはや鳩山辞任論を真剣に考えるべきだろう。この人に日本の首相はムリだ。明日以降、米国メディアの反応が見ものだ。


by tororogohan
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