フジテレビ開局50周年記念ドラマ『不毛地帯』 が素晴らしい!まだ2話(ただし1話目が2時間だったので計3時間)しか放送されていないが、テレビドラマ史上の金字塔になるんじゃないか?というくらい出来がいい。
私は原作小説を読んでいない。しかし原作の良さが一発でわかる。脚本もいい。演出もいい。役者はすみずみまで全員いい。キャスティングも良ければ演技力もいい。いやあ本当に粗がない。スキがない。主演の唐沢寿明が満州の飛行場にいるシーンとか、アメリカのアーリントン墓地にいるシーンとかは「何だよ、ミエミエのCGじゃん」と思ったが、もはやそのくらいしか文句のつけようがない。CGに少しイチャモンをつけたとはいえ、時代考証のきめ細かいこだわり、CGによる過去の再現映像は、大部分においてきわめてレベルが高かった。
しかしフジテレビが総力を結晶したこのドラマ、視聴率は大ゴケした。初回視聴率が14%台、第2回目は11%台だった。山崎豊子原作、唐沢寿明主演となると、大ヒットした『白い巨塔』同様、20%越えは大前提だったはずだ。
視聴率が苦戦している理由はある意味わかる。このドラマを絶賛している私だって、初回の冒頭をみて傑作の予感を感じたにもかかわらず、録画していることもあり、すぐにみるのを止めた。理由はあまりに重すぎて気分じゃなかったからだ。この不況の時代、さらに気が滅入るようなドラマをみるだけのエネルギーがなかった。それに民主党嫌いの私にとっても、最近の報道番組(政治)はやはり面白い。『不毛地帯』のコアターゲット(ズバリ私の世代)は、ニュースのほうを選択したんだろうと思う。
2話分を録画したまま放置していた私だが、最近になってようやくまとめ見した。
フジテレビ内でも冒頭(大東亜戦争末期・主人公のシベリア抑留11年)の重さは当然視聴率的に懸念されたのだろう。時系列ではなく、帰還後とシベリア時代をクロスさせながら話を進めたのは、冒頭の重さを少しでも緩和させたかったからだろう。私自身「重い!」と思ったクチだから、この演出方針は理解できる。それにしても冒頭から小林正樹監督の長編映画『人間の條件』の終焉まぎわみたく救いようのない感じだったからなあ。(*『人間の條件』はキネマ旬報の日本映画オールタイムベスト100で26位に選出されている。個人的には26位以上の名作だと思うが全6篇9時間超と異様に長い)
しかしこういったきわめて良質なドラマが視聴率11%で、NHK『天地人』のようなどうしようもない作品が20%越えというのは、あまりに不条理だ。まあ結局テレビのチャンネル権は女性が握り、女性に支持されない作品はいくら名作でも視聴率はとれないということなのだろう。きわめて残念なことながら。
フジテレビは視聴率が悪いからといってコスト削減に走らず、最後までいまのクオリティを保ち続けてもらいたい。今の質を保ち続ければ、再放送とかDVDレンタル等で必ず日の目を見る!(ほとんど根拠がないが(笑))いや、これから視聴率が上がるはずだ。
まとめ見して、今ごろやっと気がついたが、このドラマ、エンディングテーマがトム・ウェイツの『 トム・トルバーツ・ブルース Tom Waits - Tom Traubert's Blues』だった。実はこの曲、私自身YouTubeにアップしていた。YouTubeは自分がアップしている動画中、もっともアクセスが上がっているものと下がっているものをデイリーに表示してくれる。今までほとんど無視されていた『 トム・トルバーツ・ブルース』がここのところずっとアクセス上昇率1位だったので不思議だなと思っていたが、何のこっちゃない、『不毛地帯』に使われていたのだ!(笑)
10代の終りから20代の頃、好きなミュージシャンを一人上げろといわれれば、トム・ウェイツと答えていた。トム・ウェイツはそのくらい好きだった。
『不毛地帯』エンディング主題歌 トム・ウェイツ


by tororogohan
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