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フジ『不毛地帯』、大傑作なのに視聴率苦戦! ニュース記事に関連したブログ

2009/10/27 23:55

 

フジテレビ開局50周年記念ドラマ『不毛地帯』 が素晴らしい!まだ2話(ただし1話目が2時間だったので計3時間)しか放送されていないが、テレビドラマ史上の金字塔になるんじゃないか?というくらい出来がいい。

 

私は原作小説を読んでいない。しかし原作の良さが一発でわかる。脚本もいい。演出もいい。役者はすみずみまで全員いい。キャスティングも良ければ演技力もいい。いやあ本当に粗がない。スキがない。主演の唐沢寿明が満州の飛行場にいるシーンとか、アメリカのアーリントン墓地にいるシーンとかは「何だよ、ミエミエのCGじゃん」と思ったが、もはやそのくらいしか文句のつけようがない。CGに少しイチャモンをつけたとはいえ、時代考証のきめ細かいこだわり、CGによる過去の再現映像は、大部分においてきわめてレベルが高かった。

 

しかしフジテレビが総力を結晶したこのドラマ、視聴率は大ゴケした。初回視聴率が14%台、第2回目は11%台だった。山崎豊子原作、唐沢寿明主演となると、大ヒットした『白い巨塔』同様、20%越えは大前提だったはずだ。

 

視聴率が苦戦している理由はある意味わかる。このドラマを絶賛している私だって、初回の冒頭をみて傑作の予感を感じたにもかかわらず、録画していることもあり、すぐにみるのを止めた。理由はあまりに重すぎて気分じゃなかったからだ。この不況の時代、さらに気が滅入るようなドラマをみるだけのエネルギーがなかった。それに民主党嫌いの私にとっても、最近の報道番組(政治)はやはり面白い。『不毛地帯』のコアターゲット(ズバリ私の世代)は、ニュースのほうを選択したんだろうと思う。

 

2話分を録画したまま放置していた私だが、最近になってようやくまとめ見した。

 

フジテレビ内でも冒頭(大東亜戦争末期・主人公のシベリア抑留11年)の重さは当然視聴率的に懸念されたのだろう。時系列ではなく、帰還後とシベリア時代をクロスさせながら話を進めたのは、冒頭の重さを少しでも緩和させたかったからだろう。私自身「重い!」と思ったクチだから、この演出方針は理解できる。それにしても冒頭から小林正樹監督の長編映画『人間の條件』の終焉まぎわみたく救いようのない感じだったからなあ。(*『人間の條件』はキネマ旬報の日本映画オールタイムベスト100で26位に選出されている。個人的には26位以上の名作だと思うが全6篇9時間超と異様に長い)

 

しかしこういったきわめて良質なドラマが視聴率11%で、NHK『天地人』のようなどうしようもない作品が20%越えというのは、あまりに不条理だ。まあ結局テレビのチャンネル権は女性が握り、女性に支持されない作品はいくら名作でも視聴率はとれないということなのだろう。きわめて残念なことながら。

 

フジテレビは視聴率が悪いからといってコスト削減に走らず、最後までいまのクオリティを保ち続けてもらいたい。今の質を保ち続ければ、再放送とかDVDレンタル等で必ず日の目を見る!(ほとんど根拠がないが(笑))いや、これから視聴率が上がるはずだ。

 

まとめ見して、今ごろやっと気がついたが、このドラマ、エンディングテーマがトム・ウェイツの『 トム・トルバーツ・ブルース Tom Waits - Tom Traubert's Blues』だった。実はこの曲、私自身YouTubeアップしていた。YouTubeは自分がアップしている動画中、もっともアクセスが上がっているものと下がっているものをデイリーに表示してくれる。今までほとんど無視されていた『 トム・トルバーツ・ブルース』がここのところずっとアクセス上昇率1位だったので不思議だなと思っていたが、何のこっちゃない、『不毛地帯』に使われていたのだ!(笑)

 

10代の終りから20代の頃、好きなミュージシャンを一人上げろといわれれば、トム・ウェイツと答えていた。トム・ウェイツはそのくらい好きだった。

 

 

『不毛地帯』エンディング主題歌 トム・ウェイツ 『 トム・トルバーツ・ブルース』 

カテゴリ: エンタメ  > テレビ    フォルダ: 映画・TV・芸能・演劇

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コメント(9)

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2009/10/27 13:36

Commented by 裏の桜 さん

こんにちは。

実は、この曲捜していたんですよ(笑)何時もお邪魔しているtempleさんのYouTubeのページにあったとは・・・灯台下暗しでした(笑)

 
 

2009/10/28 05:54

Commented by ahhacah さん

templeさん こんにちは

 シベリア抑留から帰国なされた方々も全員が80歳を超えられ、一昨年瀬島龍三さんも亡くなられましたね。
 今年の7月、モスクワの軍事公文書館から、70万人を超える抑留者資料が新たに発見されました。既存のものを10万人以上も上回るものです。帰国者数を引いて概算出されていた抑留中死亡者数6万人とやらも、10万人以上増えることとなるのでしょうかね。
 

 
 

2009/10/28 10:54

Commented by temple さん

裏の桜さん、こんにちは。
>実は、この曲捜していたんですよ(笑)何時もお邪魔しているtempleさんのYouTubeのページにあったとは・・・灯台下暗しでした

いつもYouTubeまでお立ち寄りいただきありがとうございます。YouTubeは世界各国から各国語のコメントが入るとか、コメントの絶対数が当ブログよりかなり多いということもあり、ほとんど返答対応しておりません。裏の桜さんに対しても失礼があったかもしれません。申し訳ありません。いつもイザにコメントをいただいている方が特定できれば、優先的に返答したいという気持ちはあるんですが。(笑)

 
 

2009/10/28 11:17

Commented by temple さん

ahhacahさん、こんにちは
> シベリア抑留から帰国なされた方々も全員が80歳を超えられ、一昨年瀬島龍三さんも亡くなられましたね。

『不毛地帯』の主人公は瀬島龍三氏とされています。ウィキペディア等で瀬島龍三氏のキャリアを洗ってみるともう寸分違わず『不毛地帯』の主人公そのものですが。(笑)瀬島龍三氏はいろいろ毀誉褒貶があります。私の実感では、ほとんどが称賛で、批判が増えたのは晩年になってからでしょうね。政商といいっていい存在で権力の中枢近くにいた人なんでしょうが、しかしドラマをみながらシベリアで11年間も強制労働をさせられたというのは、凄いことだと思いました。ラストエンペラー(溥儀)ほどではありませんが、陸軍大学主席卒業、大本営の若き参謀から奴隷に転落みたいな話ですからね。しかも11年間ですからね。それも極寒のシベリアですからね。

山崎豊子氏はある意味、瀬島龍三以上に毀誉褒貶の激しい作家です。しかしこの人の作品をドラマ化すると破格の面白さですね。別格なんですよね。

ロシアつながりですが、私はリヒテルというピアニストが大好きです。ピアニストの中では一番好きですね。リヒテルの演奏だけが、なぜか巨大なスケール感を醸し出すんですよね。山崎豊子作品も同様で、彼女の作品だけが他の作家(日本)が追随できない巨大なスケール感を醸し出しますね。

 
 

2009/10/28 21:48

Commented by rihoriho さん

不毛地帯、期待通り迫力があって面白いです!
原作ではシベリア抑留時代がもっと長いのですが、ドラマ化する際にあれ以上長く場面を取るとチャンネル変えられると思ったのでしょう。
でも、唐沢さん以外のキャストの演技もすごくいいし、2回目から更に面白くなったのに視聴率が低いのは残念ですね。
題材は違いますが、こういう系統のドラマとして、TBSの官僚たちの夏は原作の面白さを半分も伝えていなかったので、こちらに期待します。

山崎豊子さんについては全く同意見です(笑)
小説もなんだかんだ言ってもやめられなくなる面白さがあります。
日本の作家は優れた方が多いですが、山崎さんのように骨太の社会派小説をエンターテインメントとしても面白く書き上げる底力を持った方は現在では少ないような気がします。

 
 

2009/10/28 21:50

Commented by misia さん

こんばんは。

こんばんは。お久しぶりです。

>女性に支持されない作品はいくら名作でも視聴率はとれないということなのだろう。

そうかもしれませんね。私は仲代達矢主演の映画の方も、今回のドラマも期待通り良かったと思っています。ネットで、実際にシベリアに抑留されていた方の記録も読みましたが、重いだけでなく、意外と興味深い内容でした。ドラマで描かれているロシア兵も現実ですが、シベリアに赴任してくるロシア兵の中には、左遷されてくる者もいて、捕虜に同情的な者もいたとか。

昔、勤めていた会社(三井物産)に山崎豊子さんが、商社マンの取材に来たことがあります。たぶん、不毛地帯を執筆中だったのでしょう。私の席のすぐそばでお茶を召し上がりながら会話なさっていました。

来月29日のNHK「坂の上の雲」も楽しみです。司馬遼太郎の史観に批判的な輩が、NHKに抗議しているようですが。ところで、幕末にタイムスリップした脳外科医「JIN-仁-」も面白いですよ。templeさんも私も嫌いなTBSですが(笑) 

 
 

2009/10/28 23:48

Commented by temple さん

rihorihoさん、こんにちは
>でも、唐沢さん以外のキャストの演技もすごくいいし、2回目から更に面白くなったのに視聴率が低いのは残念ですね。

唐沢寿明は入魂の演技ですね。また脇役がちょっとありえないくらい全員いいですね。小出君(航空機部門社員)とか東京商事の鮫島とか貝塚官房長はインパクトがありました。秋津中将役の中村敦夫も良かったですね。いやあ全員いいのでキリがないですね。

>日本の作家は優れた方が多いですが、山崎さんのように骨太の社会派小説をエンターテインメントとしても面白く書き上げる底力を持った方は現在では少ないような気がします。

巨悪化した権力と欲望の世界なんですが、山崎豊子の世界はドロドロした感じがなぜか昇華されていますね。

 
 

2009/10/29 00:38

Commented by temple さん

misiaさん、こんにちは!お久しぶりです。

懐が深いドラマですね。脚本も素晴らしいですね。私は無意識的にドラマの壱岐正ではなく実際の瀬島龍三の幻影を追いかけてしまっています。脚本と演出は建て前だけではなく、「本当のところ」を暗示的に踏み込んでいるように思います。

壱岐正が防衛庁に入らなかったのは「もう戦争にかかわりあいたくないから」とか「大本営参謀として戦争責任を感じているから」というより、陸軍大学主席卒業の大本営参謀で同期が全員自分の後ろを走っていたのに、11年のブランクはあまりに致命的で、今さら同業に固執し、彼らの風下に立つのはプライドが許さなかったというのが本当の理由だったんじゃないだろうか?とドラマをみながらフト考えました。

生地をさわっただけで素材とゲージを一発で理解するとか相場化する様子とか、商社のディテール表現も面白かったですね。壱岐が航空機部門を志願するのは、ラッキードこそが日本の国益という大義のためではなく、実際の瀬島氏は「自分が力を発揮できるのはもはやここしかない」みたいな感じで収斂されていったというか半ば追いつめられていったんだろうなあということを暗示的に描いていましたね。

美化されすぎたドラマの主人公としての壱岐正ではなく、本物の瀬島龍三を再構築できる材料を脚本家と演出家はうまく描いていますね。

 
 

2009/10/29 00:39

Commented by temple さん

(続き)

>来月29日のNHK「坂の上の雲」も楽しみです。司馬遼太郎の史観に批判的な輩が、NHKに抗議しているようですが。ところで、幕末にタイムスリップした脳外科医「JIN-仁-」も面白いですよ。templeさんも私も嫌いなTBSですが(笑) 

トータルとして司馬遼太郎の歴史観を検証しますと私もやはり強い違和感を覚えます。しかし彼の明治観と日露戦争観はむしろ好きです。「坂の上の雲」の宣伝映像は2回くらいみたことがあります。なかなかいい感じでしたね。しかしこの作品、正直なところ、ものすごく不吉な感じがしますね。その根拠は、台湾問題で今も訴訟沙汰になっている「JAPANデビュー」と同じプロジェクトなんですよね。「坂の上の雲」は。プロジェクトの名前は「プロジェクトJAPAN」といいます。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88JAPAN

NHKは「JAPANデビュー」と同じコンセプトを間違いなく「坂の上の雲」に注入するでしょう。原作小説が微塵も描いていなかった朝鮮人や中国人に対する贖罪意識を原作を改竄して勝手に注入すると思います。繰り返しになりますが、何せ「JAPANデビュー」と同じプロジェクトですからね。

 
 
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