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『天地人』自分の侵略は善、他人の侵略は悪

2009/07/13 23:23

 

伊達政宗が初登場した。番組の冒頭、伊達政宗の身長は159.4センチとか血液型がB型だったとか、兼続より7歳年下だったという説明が行なわれた。さして重要な情報とも思えなかったが、松田龍平演じる伊達政宗が映像として登場したさい、「なるほどね」と思った。大河ドラマ伊達政宗といえば、渡辺謙の『独眼竜正宗』を多くの人がまず思い出すはずだ。しかし松田龍平の伊達政宗は渡辺正宗に比べ、あまりにみずぼらしく、そして貧相だった。髪型はだらしなく乱れ、チンピラのようだった。貧乏長屋で傘作りの内職を行なっている素浪人(しかも結核もち)風でもあった。渡辺正宗のイメージを払拭・牽制するために、わざと身長159.4センチとか兼続より7つ年下(若輩)と説明したのだ!ちなみに正宗の正妻は渡辺謙の娘でモデルの杏が演じていた。それにしても松田龍平は演技がド下手だ。弟の翔太のほうがはるかにいい。

 

秀吉の意向を受けた上杉景勝は、兼続を名代にたて、伊達家に派遣した。正宗と兼続のシーンは、正宗は戦争狂、兼続は平和の使者として描かれた。会談は決裂し、兼続は正宗に危うく斬り殺されそうになった。

 

大阪城内で行なわれた秀吉のヘッドハンティング謁見のさい、兼続はサヤから抜いた真剣を首元に突きつけられた。『天地人』では、刀が安易に抜かれる。真田幸村が泉沢元秀に対し、槍の真剣勝負を安易にしかけるシーンもあったし、手傷を負った初音が京の兼続宿所に逃げ込んださい、真田幸村率いる手下の忍が、兼続に向け、安易に手裏剣を投げつけるシーンもあった。後先考えず、ハラハラドキドキだけを狙ったチープかつ無節操な演出だ。

 

伊達家を訪れ、戦争はよくないみたいなことをほざいていた兼続だったが、次のシーンはいきなり上杉の大将として、佐渡侵略(ドラマでは佐渡平定といっていた)をはじめた。伊達の戦争は悪だが、上杉の戦争は善らしい。佐渡の覇者本間高統の居城(河原田城)を落城させたあと、床几に座る本間高統の前に兼続や泉沢元秀は床に直接座り、頭を下げ、「これにてどうか矛をおさめられませ」とか「本間様、私は戦をしに参ったのではありません」とかいっていた。先に剣を抜き、戦をしかけたのは上杉方であるにもかかわらずである。(笑)このあと「いたずらに兵を失うのではなく、本間様、よき国づくりのため是非お力をお借りしたく存ずる」と続け、さらにナレーションが「上陸から12日間、こうして本間家を降伏させたのでございます」と語った。

 

このシーンをみたほとんどの人は、上杉家と本間家はその後力を合わせ、佐渡を発展させていったに違いないと感じたはずだ。しかし実際は、河原田城落城時、本間高統は嫡男統之とともに自害した。落城後の兼続高統会談など嘘っぱちだ。兼続は本間家を降伏などさせていない。兼続は本間家を滅ぼしたのだ。(参照:ウィキペディア本間高統』) (そういえば本間高統を演じた役者は『Gメン75』の夏木陽介に似ていた。

 

 

本間高統(春田純一)

 

 

本間家を滅ぼして手に入れた金山で、金山奉行のような仕事をしている兼続のもとに、伊達が葦名を滅ぼしたことを知らせる書状が届いた。自分たちは佐渡を侵略、金山を強奪しておきながら伊達の葦名侵略を猛烈に批判していた。佐渡金山強奪は、『義』の平定、『愛』の平定で、戦争ではないというのが、お粗末先生(小松江里子)やNHKの解釈らしい。

 

兼続が伊達の葦名侵略を知ったあと「このとき兼続は戦なき世の中への道のりはまだまだ険しいものだと思い知るのでありました」というナレーションも入っていた。

 

自分の戦争は愛だの義だのという。そして他人の戦争は猛烈に批判する。こういう人間が一番性質(タチ)が悪い。最悪人間だ。麻原彰晃のポアと同じだ。

 

番組の後半、御館の乱で上杉景虎の参謀役をつとめた遠山康光が再び登場した。北条からの使者として家康の前に現れた。史実では御館の乱のさい、上杉景虎とともに自害したのだが、なぜかまだ生きている。もうなんでもありのドラマだ。  (参照:ウィキペディア遠山康光』)

 

お粗末先生は自分勝手な妄想で、史実の直江兼続とは何一つ似ていないグロテスクな人物をつくりあげた。史実の兼続は戦国時代の価値観の中を生き抜いた人物だったが、お粗末兼続は「愛の世界(お粗末ワールド)」の住人にされてしまった。当然のことながら本物の直江兼続の行動原理をお粗末イデオロギーで説明できなくなる。そこで佐渡侵略は戦争ではなかったとか、本間高統はあたかも死ななかったかのような捏造演出が行なわれる。

 

都合の悪い史実を捏造・隠蔽するのは、韓国や中国の歴史教科書のようだ。(たとえば韓国では丙子胡乱の顛末、三田渡の盟約、下関条約、済州島4・3事件、保導連盟事件、国民防衛軍事件など、きわめて重要な数多くの事実が隠蔽され、教えられない)

 

NHK『天地人』はどんどん悪質さを増している。

カテゴリ: エンタメ  > テレビ    フォルダ: NHK大河ドラマ

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コメント(9)

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2009/07/13 14:36

Commented by リップンチェンシン さん

独眼竜政宗は大河ドラマ史上最高の視聴率を誇る番組です。細かな数字は忘れましたが、今後も決して負けることはないはず。全話欠かさず見た大河のひとつであり、キャスティングも優れていました。北大路欣也三浦友和、秋吉久美子他、脇を適材適所で固めたこともよけい渡辺謙の魅力を引き立てる要因でありました。視聴率トップも何等不思議ではありませんし、納得です。よって思い入れのあるファンは多いんですよね。

ですからNHKは政宗を視点が違うからといって安易に描くべきではないし、してほしくなかった。せめてベテランと呼ばれる俳優に演じてもらいたかった。

昨日見た時、私もtempleさんと同じことを考えたんです。まず、こいつ誰? そして、随分シケてるなあと。これじゃあなかなか仕官にありつけずに長屋で傘や風車作りの内職で飢えをしのいでいる浪人だな、さてや老害でも患ってるか。

確かにド下手でしたね。あれなら無名の新人にやらせたほうがよかった。私の中ではド新人ですが。今後どのように描くのか気になりますが、昔からの大河ファンの失望と怒りをかったことは間違いありません。

やっぱり見なきゃよかったと後悔しましたが、朝日姫降臨をまたまた期待したばかりに・・・。もうないでしょうね。ちきしょう(笑)。

 
 

2009/07/13 20:03

Commented by stardustclub さん

templeさん初めまして。
本間高統を演じておられたのは春田純一さんだと思いますよ。
元はJACでスタントマンをやって見えた方です。
特撮ファンですとダイナマンのダイナブラックというと直ぐに分かるのですが。

 
 

2009/07/13 20:32

Commented by 相模 さん

NHKの大罪はお粗末先生の筆にまで及んできました。
捏造もそうですが、話がどんどん分かりにくくなってきました。はしょりが多いです。

 
 

2009/07/14 23:36

Commented by temple さん

リップンチェンシンさん、こんにちは

>ですからNHKは政宗を視点が違うからといって安易に描くべきではないし、してほしくなかった。せめてベテランと呼ばれる俳優に演じてもらいたかった。

正宗役を演じた松田龍平は松田優作の長男です。

父親は時に「悪の大魔王」みたいな芝居をやっていましたが、そういう領域にはまったく届いていないんですよね。
なんか基本の問題で、発声が悪いんですよね。腹式で発声を行なっていないんですよね。いくら凄んでも、チンピラの領域を出ていませんでしたね。

大名って、ゼネラリストなんですよね。橋をつくるとか、新田を開発するとか、新たに灌漑工事を行なうとか、戦の論功行賞とか、全部最終ジャッジを行なう人だったんですよね。

松田龍平の演技はナイーブなだけで、生まれたときから大名の子とか、学問を受けているとか、大名のニオイがまったくしませんでしたね。

 
 

2009/07/14 23:58

Commented by temple さん

stardustclubさん、こんにちは、はじめまして!

ウィキペディアで調べましたが、春田純一さんは北九州市出身のようですね。私と同郷になります。 いつもはヒゲをはやしていないようですが、ヒゲをはやすと、夏木陽介そっくりですね。ヒゲをはやしたほうが、仕事のオファーが増えそうですよね。(笑)

きわめて短いシーンでしたが、きちんとした芝居をされていましたね。個人的にはたいへん印象に残りました。

 
 

2009/07/15 00:51

Commented by temple さん

相模さん、こんにちは

武将なのに人を殺したことがないとか、愛の人とか、本当の直江兼続とはまったく違うコンセプトを暴走させていますね。

本末転倒で、史実ではなく、荒唐無稽なお粗末コンセプトのほうを死守しようとしているんですよね。よって史実の改竄がどんどんエスカレートしています。

佐渡を金山目当てで侵略して本間高統一族を死に追いやっておきながら、「本間様、私はいくさをしに参ったのではありません」とかあたかも平和裏に和平を成立させたかのような歴史偽装が行なわれるんですよね。

歴史の行間を創作で埋めていくのではなく、行そのものの改竄を行なっているんですよね。お粗末とNHKは。

 
 

2009/07/15 11:29

Commented by ahhacah さん

templeさん こんにちは

 日本海の島が好きで、壱岐対馬隠岐佐渡と行ったことがあります。特に佐渡は新幹線-新潟-高速艇と交通の便が良いので何度も行きました。時間的に相当のロスになるのですが、歴史的にあるべきアクセスであると、直江津-小木から入ったこともあります。
 目的地は相川で、この江戸期の面影を残す寂れた街並み、特に西坂の辺りには一時期嵌りました。金山の土を使った無明異焼の柳山のものとか、いまや人間国宝になられてしまった赤水の急須・湯ざましなどはずっと使っています(取っ手のところが取れてしまって瞬間接着剤でつけました、もったいないですね)。伝統技法を守っていられた柳山さんは赤水の窯変を「邪道だ」とおっしゃられていましたね。二十数年前の話です。
 佐渡金山についても興味があって坑道跡や郷土博物館は無論、書籍など結構読みました。いまウィキにあたってみましたが、佐渡金山は1601年に発見されたとありますがどうなのでしょう。道遊の割戸という有名な遺跡がありますが、山を上から下から滅茶苦茶に露天掘りして行った結果崩れ落ち、虫歯に侵された末期の歯みたいな形になったものです。密かにでも知られていなかったのでしょうか。確かに初代佐渡奉行大久保長安が南蛮伝来の先端発掘技術を導入して以来、産金高は飛躍的に伸びたのでしょうが。どうも合点がいきませんね。
 「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」、酒田の本間家は佐渡本間家の支流であると、ウィキにありましたね。知りませんでした。

 
 

2009/07/21 23:21

Commented by temple さん

ahhacahさん、こんにちは

>日本海の島が好きで、壱岐対馬隠岐佐渡と行ったことがあります。

私の生まれ育った北九州市市民は山陰に海水浴に行く人がけっこう多かったですね。市内(若松区)に海水浴場はあったんですが、工業地帯が近すぎで、風景的にも火力発電所が近くにあったりしてそれほど人気はありませんでした。福岡市よりの志賀島のほうは、混雑しますしね。山陰の海は独特の侘しさがあっていいですね。大学時代、地元に帰り、地元の友達と何度か山陰の海に行きましたが、その当時は「知らない人を見つけたら警察へ」という大きな看板がいたるところにありました。看板の絵はドロボウ風だったりサングラスをかけた悪風ではなく、軍服を着ていました。ようするに北朝鮮の軍人を指していたんですね。

> 佐渡金山についても興味があって坑道跡や郷土博物館は無論、書籍など結構読みました。いまウィキにあたってみましたが、佐渡金山は1601年に発見されたとありますがどうなのでしょう。道遊の割戸という有名な遺跡がありますが、山を上から下から滅茶苦茶に露天掘りして行った結果崩れ落ち、虫歯に侵された末期の歯みたいな形になったものです。密かにでも知られていなかったのでしょうか。確かに初代佐渡奉行大久保長安が南蛮伝来の先端発掘技術を導入して以来、産金高は飛躍的に伸びたのでしょうが。どうも合点がいきませんね。
> 「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」、酒田の本間家は佐渡本間家の支流であると、ウィキにありましたね。知りませんでした。

たしかに1601年なんですよね。

私は佐渡出身の本間さんを仕事がらみで知っています。社会的にけっこう地位のあった人ですが。佐渡に本間さんは多いらしいですね。また由緒ある名前のようでもあります。

NHKは「その時歴史が動いた」みたいな歴史バラエティで、新たな新事実が発見されたとかやっています。しかし大河ドラマは番組で「この番組はフィクションです」という字幕を出さないくせに、歴史の定説ですら、無茶苦茶に覆しますね。ひどい話です。

 
 

2009/07/22 09:56

Commented by ahhacah さん

templeさん こんにちは

 壱岐とか行かないのですか。勝本の辰の島なんかいいですよね。山陰は島根半島笹子の白浜とボートで行ける対岸の岩場が印象に残っています。佐渡も悪くはないのですが、かなりの人出で興ざめします。対馬と隠岐は夏に行ったことがありません。

 
 
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