トルコ人の祖先は、大昔からトルコ共和国の領土内に住んでいたわけではない。よく考えてみれば、現トルコ共和国はもともとローマ帝国⇒東ローマ帝国だった場所だ。よく考えなくてもそうだが。(笑)11世紀末、コテコテのキリスト教国だった地域(アナトリア半島≒現トルコ領土)に、トルコ系セルジューク朝(中学のときセルジュクトルコと習った)が流れ込み、この地を支配したが、セルジューク朝は衰退・滅亡、再び東ローマ帝国が奪い返した。しかしその後、中央アジアを本貫地とするトルコ系オスマン家が1299年、アナトリア半島に泡沫国を成立させる。この国は支配地域をどんどん広げ、ついに東ローマ帝国を滅ぼした。
現在のトルコ人のコアは、この東ローマ帝国を滅ぼしたオスマン帝国の末裔だ。中央アジアを本貫とする人たちだ。
現在トルコでは、ウイグル自治区を自分たちの祖先の地と考えている人が多いときく。ドイツ在住でイザ!のブログ仲間である丸山光三さん(旧マルコおいちゃん)も指摘していた。トルコ人の多くは、匈奴≒フン族≒突厥≒テュルク≒トルコ人と考えているらしい。匈奴の冒頓単于も祖先の英雄と認識されているらしい。ウイグル自治区は東トルキスタンともいわれるが、トルキスタンとはトルコ人の国(地域)という意味だ。
匈奴の英雄冒頓単于(在位:紀元前209年~紀元前174年)の銅像(ウィキペディアの『冒頓単于』の項に掲載されている写真)。この銅像の設置場所は中国ではない。ズバリ、トルコのビレジク県というところに設置されている。トルコ人は冒頓単于を自分たちの祖先、自分たちの英雄と考えている。

イスラム教が世界3大宗教といわれるまでに成長したのは、オスマン帝国が隆盛したからだ。そのオスマン帝国を興したのはトルコ人の祖先であり、そのトルコ人の多くはウイグル自治区を自分たちの故郷と信じている。
そんなウイグル自治区に、無神論をイデオロギーの根幹にすえている中国共産党が、大量の漢族を移住させ、また若いウイグル人をウイグル自治区の外に強制的に移住させている。ウイグルを出ないと、莫大な罰金を請求されるらしい。
中国共産党は、省や自治区の民族の構成比を公式に発表しているが、ウイグル自治区の民族構成はウイグル人45%に対し、漢族が41%(2006年現在)と拮抗するところまできている。金や清を建国した女真(満洲族)は、漢族がもっとも恐れ、忌み嫌った少数民族だったが、女真はチベットなどに強制移住させられ、文革時代までに徹底的に潰された。女真がもっとも多い遼寧省ですら、現在女真の構成は13%(漢族は84%)にすぎない。女真本来の本貫地と思われる黒竜江省にいたっては、女真3%に対し漢族95%だ。
イスラム教の本貫地は、ムハンマド(モハメット)の生まれたメッカだが、イスラム教隆盛の立役者であるトルコ人の本貫地は、ウイグル(タリム盆地)だ。中国共産党が蹂躙しまくっているウイグル自治区とはそういう場所だ。
何が言いたいかというと、中国共産党は全地球上のムスリムを敵に回す可能性だってありうるという話だ。同じイスラム教圏でもたとえばインドネシアあたりとウイグルとでは、重みがぜんぜん違うのだ。おそらく。
現在中共がウイグルでやっていることは、第2のパレスチナ問題に発展しかねない話だろう。パレスチナ問題は勃発してから2千数百年たった今も、解決の糸口さえみつからない。
無神論をイデオロギーの根幹にすえている連中がムスリムを統治するなどはじめから無理な話なのだ。


by tororogohan
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